現実逃避

なりたい自分と求められる自分の狭間

おしゃれとK-POPらしさのスウィートスポット

K-POPは時代の変遷によって楽曲の傾向がかなり変わる。約10年前はK-POP特有のちょっとダサいけどクセになる曲調が主流だったが、近年はどの事務所もお金をかけて欧米のトレンドにのったおしゃれな曲を売り出している。

8年以上市場を見守ってきた私の考えとしては、ただおしゃれなだけの曲はK-POPである必要はない。おしゃれなだけの曲はそれこそ欧米のDJに任せておけばいい。K-POPK-POPらしさがあるからこそ価値がある。

今回はおしゃれでいて、かつK-POPらしさも兼ね備えた曲を紹介しようと思う。

 

f(x) - 4walls

www.youtube.com

先日メンバーの内3人が事務所を退社したf(x)。事務所は頑なに彼女たちに活動させなかったが、それは間違いだったと断言できる。

彼女たちにとって最後の活動曲になったこの曲はディープハウスとK-POPを語るうえで外すことのできない名曲だからだ。

"Love is 4 walls" というK-POPによくあるフックとディープハウス的なベースが心地よい。

なにより驚きなのが2015年に発売された曲だということだ。私にとってこの曲はこの4年間で発売されたどの曲よりも洗練されていて、全く色褪せていない。今後も存在感を保って残っていく名曲に違いない。

振り付けも曲のスタイリッシュな雰囲気に合っていて魅力を倍増させているので一度見てほしい。

www.youtube.com

 

WINNER - REALLY REALLY

www.youtube.com

韓国でも大流行した曲だ。グループの顔的存在だったナム・テヒョン(彼は一度見たら忘れられない特徴的な顔立ちをしているので本当に「グループの顔」だった)の脱退後に初めて出した曲で、再起を図るために入念に準備したそうだ。

歌詞にも注目したい。

「どこにいる?家?

忙しくなかったら出てきてよ

君の家の前にいるんだ

言いたいことがあってさ」

という言える人が限られそうなセリフから始まり(下手したらストーカーである。メンバーの中でもジヌ以外は許されないかもしれない。)

サビで「君が好き」と告白する流れがよく練られている。なるほどヒットしないはずがない。

歌詞に負けず多幸感のあふれるサウンドも何度聞いても飽きない。発表以降毎日のように聞き続けている一曲だ。


Key - Forever Yours

www.youtube.com

SHINeeのKeyが入隊前に発表したソロ曲だ。万能鍵のあだ名で知られるKeyの均整の取れた能力が余すところなく発揮されている。

元Sistarのソユがフィーチャリングしていて、女性ボーカルが加わることで全体的に軽やかでさわやかな雰囲気をまとっている。

この曲をKeyがパフォーマンスするのを単独公演であるKEYLANDで実際に見たのだが、ソユのパートはKey本人がファルセットで対応していた。会場からは笑いが起きていたがおそらく本人は本気だった。また異なる魅力があるので除隊後に見せてくれることを今から待ち望んでいる。


BLACKPINK - FOREVER YOUNG

www.youtube.com

なぜ活動曲にならなかったのか不思議な一曲。私がSpotify上で一番多く再生しているのはこの曲だ。

BLACKPINKはこの時の活動曲である「DDU-DU DDU-DU」から大きくコンセプトが変化した。それまではBLACKPINK独自のしなやかで少女的な路線だったのが、一気に2NE1を彷彿とさせる強い女性像を強調するコンセプトになった。

個人的にはかっこいい彼女たちより等身大の少女のような彼女たちの方が好みなので、この曲を推したい。「Kill This Love」活動時の「Don't Know What To Do」も同様に少女的で素晴らしい。

終盤にかけてダンスブレークのような盛り上がりを見せるところもK-POPらしくて好きな点だ。

 

KARD - Oh Na Na

youtu.be

正直この曲はおしゃれに寄りすぎていると思う時があるが、欧米の曲に似たようなものがあるかと聞かれればないので、K-POP独自なのだと思う。

KARAで有名なDSPメディアがかなり力を入れている(と思われる)KARD。DSPメディアといえばKARA、KARAというとアイドルの王道を行くイメージだ。後輩のAprilもその路線を踏襲している印象があったため、彼らのような練習生がいたとは知らなかった。

特筆すべきはソミンだろう。彼女は一度Aprilとしてデビューしたものの脱退し、練習生に戻って再度KARDとしてデビューした。

この曲は彼らがデビュー前に発表した3曲のうち、一番初めに出されたものだ。こんなにも洗練された曲を歌い、踊りこなす練習生がいたのかと衝撃を受けた。

デビュー曲ではないため彼らはこの曲で活動していない。それがあまりに惜しいほどの完成度だ。話題性のためかKARAのヨンジがフィーチャリングしているが、そんなことをしなくても十分に話題になれただろう。

この曲が好きな人は彼らの他の曲も聞いてほしい。気に入ること請け合いだ。