現実逃避

なりたい自分と求められる自分の狭間

f(x)を生で見た

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5人の頃のf(x)。左からビクトリア、ルナ、クリスタル、ソルリ、アンバー。
私はf(x)というグループが大好きだ。
このグループはK-POP界隈でよく見る「この子は実力はあるけど見た目はちょっと…」というメンバーがいないうえ、全員のそれぞれ方向性の違う特徴がf(x)というコンセプトの下では調和する奇跡のグループだ。

全員が一人でも十分に活動できる見た目と実力を持っているために近年はグループでの活動はほとんどなかった。
そんな状態で10周年を迎える今年、東京で行われるSMTOWNでビクトリア以外の3人が集まってパフォーマンスをすると決まった。
この知らせを聞いて私に行かないという選択肢はなかった。

私はまだ憧れの彼女達を直接見たことはなく、2回もその機会を逃していたからだ。
2015年に日本で単独公演をした際、当時高校2年生だった私はチケットを買っていたが模試の日程と重なり、模試を優先して妹の友人に譲ってしまった。
アンコール公演も受験勉強を優先して応募すらしなかった。また日本で公演をしてくれるだろうとばかり思っていたからだ。

しかし、それ以降f(x)はカムバックすることもなく、完全体での活動も減り、今年の春には日本の有料ファンクラブMeUも解散してしまった。
受験勉強は他の時間にもできたはずなのにコンサートに行かなかったことをずっと後悔していた。
近いうちに解散してしまうかもしれないという予感のある中、今回の機会だけは逃せなかった。

サークルの合宿最終日の夜にコンサートがあったため忙しかったが、セットリストも確認して、掛け声を覚えて参戦した。会場全体が愉快な曲にのって陽気な雰囲気になった直後、その雰囲気を壊さない、それでいてがらりと空気を変えるイントロが耳に入ってきた。
私が彼女たちのファンになってから初めて発表された曲である「Electric shock」だった。いつもイヤホンを通して聞いていた旋律が東京ドームのスピーカーに乗って流れた。脳内の回路が一度断ち切られ再構成されたかのような衝撃だった。本当にアンバーは、ルナは、クリスタルは実在して同じ空間で歌い踊っていた。

今回最も楽しみにしていたのは「4walls」だった。この曲は最後の活動曲であり、活動当時はメンバーが脱退してもグループが1位を獲れることを示そうとファンが奔走した曲でもあった。事務所も当時は新しいf(x)像を作ろうと、かなり力を入れていたように記憶している。
それだけあって時代の先を行くコンセプト、衣装、曲、どれをとっても今年発売された曲に全く見劣りしない最高の作品だ。
この不朽の名曲を彼女たちがパフォーマンスする姿を実際に見ることが長年の願いだった。実際に見てみると曲と振り付けと衣装が歯車のように噛み合い、どのグループよりも強いオーラを放っていた。オーラが生み出す恍惚に溺れるような感覚さえあった。

この感覚に陥っていたのは私だけではなかったようで、ファンたちが上げる悲鳴と歓声も他のグループと比べて質の違うものだったように感じる。皆彼女たちがパフォーマンスするのを心から願っていて、その切な願いが混じっているのが感じられた。

パフォーマンスが終わった後、クリスタルは泣いていたという。彼女たちの活動をもっと見ていたい、新曲を出してほしいのは間違いないが、それ以上に彼女たちが幸せになれることを願っている。